Tuesday, May 30, 2006

ドキュメント読もうぜ

半年前に納品・検収した、サーバサイドのプログラムがある。ユーザA社の要望で、横展開・他社にも利用させることを前提としていたので、ドキュメントはかなりの分量になったが、どうにか検収も通り、また評判も良くて、現在、A社から別の案件の開発もいただいている。

さて、納入したプログラム(PHPのスクリプト)を、我々の顧客A社が、別の会社B社に支給?販売?することになった。A社は、そのプログラムそのもので利益をあげるのではなく、A社とB社で業務連携をするのに使う。

5/29 11:00にA社から電話がくる。
「動かないってB社が言う。ログにエラーが出てる。」
「6/1 にカットオーバなんだ。必達なんだ」と言う。
環境周りが原因じゃないんですか、と伝える。だってA社の環境では、今も元気に動いているじゃないですか。
「それはわかっている。うちは、瑕疵、バグだと思ってない。」
「B社が、バグだと言ってるんだが、我々ではB社を納得させられない。」
「何より、時間がない。6/1に動かさないと、広報も動いちゃってるし、非常にまずい。」
「いや~・・それなら、最初からインストール・設定作業を発注して下さいよ」と、言うのは飲みこんだ。そもそも「他所の会社でも自分でインストールできるドキュメント」を要望されていたんだからなあ・・。

「とにかく、動かして欲しい。瑕疵対応じゃないと思っているから、対応にかかった費用は出すから」
うん・・まあ・・お金の問題だけじゃなくて・・当時の担当SEやPGは、他の案件についてるし、そっちも月末にあげる成果物めざして、全力で、動いていて、おいそれと、はずすわけにはいかない。6/1って、もう、すぐじゃん!

「6/1って、時間ないですねえ・・でも何とかしないといけないんですよね。今、当時の担当者で、すぐに動けるのは、いないんですが・・・」
「やれるだけ、やってみますか」

B社のメールが転送されている。
「文字化する。プログラムがおかしいと思われる、エラーXXX番が出ている、ログはこれ」
う~ん。プログラムに喧嘩売ってるようなメールだなあ。
まあB社の本人さんは、実際の開発会社の我々が見るとは思ってなかっただろうけど。

B社の担当に電話する。
「A社はO/SをEUCで入れている。今、普通に入れるとUTF8ですよね。大丈夫ですか」
「う! 確認します」

B社から連絡くる。
「EUCでした。」おまけに「どうしてプログラムは、XXでXXしてるんですか。おかしいですよね」と言ってきていた。が、とりあえず、無視。その前に確認しないといけないことがある。

次の質問
「モジュール一覧表もらってますよね?ファイルサイズとタイムスタンプあってます?」
「え??比較してないですけど」
「比較したほうがいいと思いますよ。種々の経緯があり、複数のバージョンがありますから。」
「オペレーションミスで、改行記号が入ったり、コード変わったりしますから」

B社から連絡くる。
「4ファイル違います。」(・・・あのねえ・・受領の時に確認しろよな)
「違うファイルを tarで固めて、WINDOWSにBINでFTPして、メールに添付して送って下さい。」
送られてくる。内容確認。まあ、違ってはいたが、これが原因はなかった。


「ミドルウエア構築手順書、届いていますよね?A社からもらってますよね。」
「もらってます」


「文字化けって、PHP のmbstringsあたりの設定が疑われるんですけど」
「php コンパイルの configure は手順書通りやりました?」
「php.iniは、手順書通りですか?」
一方、万が一、自分達のソースに問題があった場合に備えて、開発・試験サーバを準備させる。 保守契約してないし、半年前の納品物なんで、本番と同じ環境は保持してない。 とにかく時間がないから、打てる手はうっておく。

で、結論は・・・ 「ドキュメントは読みしょう」
php.iniドキュメントの中に ちゃんとあるでしょ!

一般PCユーザじゃないんだからこの世界、この業界で、メシ食わせてもらってるんだから提示された文書は、読めよな。この業界じゃなくたって、相手から出てきた書類を読まないでいたら・・普通は仕事していることにならないんじゃない?。

B社さん・・うちより、ずっと大きな会社で、WEBの開発や構築、ずいぶんたくさんやっているみたいだし、自信はあったんだろうな。でも、読まないとね・・。ことに、うまく動かない時は・・。

まあ、いいか。そういうことがあるから、うちのような名もなき小さな会社でも、重宝して使ってくれるところがあるのかもしれないなあ・・。

A社さんからは、調査や、やりとりにかかった稼動をいただけることになった。あんまり困ってる時に、ふっかけるようなこともしたくはないんで、実働の数時間分。

たぶんに、こういう時の費用というのは金額の大小というか利益じゃないんですよね。
自分達の納品したものに瑕疵がない、でも巻き込まれて動いた。そのケジメのために・・なんですよね。

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