Tuesday, July 18, 2006

2W3Wの事情 その1

受託・請負メインの傍ら、こんなことを立ち上げて半年。公式のサイトのほうには、書けなかったことを。

「あるプロジェクトで、JAVAの人が欲しい」と。うちは、1997年ごろから、WEB、ネット絡みの開発が90%でそういう「開発者を貸してくれないか」という話がよくある。もっとも、「貸して・・」と言われて、ハイハイというほど、たくさん人がいるわけでもないし、正直、本業にしていない。

一方、ちょうどタイミングよく、ある会社から、「JAVAできる若者いるけど何か仕事ないですか?」というのが、出てきた。

で、紹介したところ話が成立。うちは実質紹介だけだが、キャッシュバッファを務めるので、5%の手数料をとらせてもらうことになった。
入ってくるお金は3ヶ月単位で、支払い入金は、さらに60日先。でも、支払いは毎月。仕事の先の与信がしっかりしているところだからできることだけど、それでも、5%は、かなり良心的な数字だと思う。

現場は、きついプロジェクトだった。300時間/月 の時もあった。超過時間に対しての請求はできるものの、本人のことを心配していた。毎月、とんでもない残業が出ていて、うちから支払う金額は、90-110万。こうなってくるとお金の問題じゃなく、過労死でもされたら、とんでもない。
何度かクレームはあげても、プロジェクトも厳しいらしく、改善はされない。
自分自身、PMの経験もあるので、危機的プロジェクトの事情はわからないでもないが、さて、どうしたものか、と思っていたところ、所属会社から「話がしたい」と連絡があった。
「ああ、引き上げるという話だろうな」と思った。
無理のない話だと思うし、ハッキリそのまま仕事先に伝え、勿論、「抜けられたら困る」と泣きつかれるかもしれないが、そこは期間をみて、終息させることになるだろう。

所属の話は、予想通り、「撤退したい」だったのだが、ただ理由が予想外で、本人が会社を辞める、しかも、すぐにでも辞めるような勢いだ、とのこと。

意外だった。紹介だけとはいえ、現場に入った後も何度か会って、飲みにも行き、話もしてきて、投げ出すようなタイプじゃないと思っていたんだが・・。

現場の本人をつかまえ話をしてみた。

別に今いるところの仕事が、いやでいやで仕方がないというわけじゃない。
たしかにきついんだが、それなりに、いいところもある。
ただ・・と、彼は言いよどんだ。
無理やり口を割らせたのだが、所属の会社の評価が納得できない。
今、自分の給料は25万。たぶん、今年は年収で、350万程度。

350万って、月30万弱・・。
うちは、会社としては、彼の会社に平均で100万は払っている・・。

勿論、正社員であれば、仕事がない、売り上げがない時でも、給与は保証していかねばならないし、間接費だってかかるわけで、全部が全部、本人にはわたせない。当然、他の社員とのバランスもあるだろう。会社の全体の収益等の事情もあるだろう。
しかし・・。

「止める資格もないし、そんな気もないけど」
「辞めてどうするんだ?次の仕事決めているのか?」

「好きで、始めた仕事だけど」
「このままこの業界で仕事をしたほうがいいのかどうかも迷っている。少し落ち着いて考えたい。」

ロクな努力も覚悟もなしで、カタカナ・アルファベットのこの業界で、楽して食えればイイネなんてタイプの人間もたくさん見てきている。でも、彼は違う。
努力もするし、辛抱もする。人の話もちゃんと聞き、自分のものにしていけている。
もったいない!

「もし、今の現場の仕事が、イヤだというなら、あきらめるけど現場は抜けられたら、困ると思うよ。
もし、現場がイヤでないなら、今の会社辞めた後、俺のところと、個人事業主として契約して仕事するか?」
「ギャラはいくら欲しいんだ?」

「少し考えさせて下さい」

数日後、彼の希望通りの条件を飲んで、その後2ヶ月、プロジェクトのカットオーバまで、やってもらうことになった。

今いる会社が、受託・請負をメインでやっているので、自分でもすっかり忘れていたが、別に、彼と所属の話は、昔からこの業界で、ザラにある珍しくもない話だ。
だが、ひさしぶりに出会った見事なエゲツナサに、正直、かなり腹がたつのを感じた。所属の会社にも、自分にも。

だめだわ、こんな商売しちゃ。

プロジェクトのニーズも、プログラマにニーズも確かにたくさんあるので、紹介そのものを仕事とすることは、否定しないが、もっと、ストレートに、オープンに、正々堂々とやっていきたい。

じゃないと、寝覚めが悪すぎる。今、自分のオフィスで一緒に働いている人に顔向けできにくいわ。
理想論かもしれないが、めちゃくちゃ大規模にすることを指向しなければ、地道に進んでいけると思っている。

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